日本だけでなく世界のオープンデータを推進する大きな契機となったのが、2013年に開催されたG8ロック・アーン・サミットです。サミットではオープンデータ憲章が国際公約として合意されました。この合意に基づき、G8各国はオープンデータ実行計画(アクションプラン)を立案し実行しています。ワシントンにあるシンクタンク"Center for Data Innovation"は、これらG8各国のオープンデータ進捗度を調査し、"Open Data in the G8: A Review of Progress on the Open Data Charter"というレポートにまとめて発表しました。
進捗度評価はオープンデータ憲章の以下の5原則に基づいて達成度が評価されています。
上記の表は総合評価をまとめたものです。英・加・米・仏の上位と、伊・日・独・露の下位とに、くっきりと二分されています。日本の総合評価は残念ながら30点とかなり低い評価となりました。
原則1については、日本の経産省は「公的データを積極的に公開する」と宣言していますが、「原則として公開する(オープン・バイ・デフォルト)」ことまでは課しておらず、かつ、原則としてデータをオープンにすることが政府関係者の間では優先すべき事項だとみなされていないと指摘しています。原則2については、データ量は十分だが形式がHTMLとPDFが大半で質的な問題があることと、バルクでのダウンロードができずAPIも整備されていない点を問題としています。原則3については、ライセンスの情報の提供が十分でないことや、Data.go.jpが一時アクセスできなくなった問題などを指摘しています。原則4、5についても指摘があり、興味ある方はレポートを読んでみてください。
評価指標はさまざまあり、点数や順位について一喜一憂する必要はありませんが、指摘された事項については今後の改善に役立てて欲しいと思います。
参考: Open Data in the G8: A Review of Progress on the Open Data Charter (Center for Data Innovation, 2015)
(東 富彦)
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