Otawwa Citizenによれば、カナダ産業省(Industry Canada)は2014年1月、連邦法で設立された法人(連邦法人)の役員情報を再び有料化した模様です。
カナダの連邦法人に関する登記情報はカナダ産業省のポータルCorporations Canadaを通じて無償で公開されています。1月までは役員の名前および住所も同ポータルを通じて無償で公開されていました。しかし1月の改訂によって、役員の名前や住所を調べるためには、1社あたり2ドルの費用が必要となり、再有料化されました。
民間企業が提供している役員情報サービスは1社あたり40ドルほどですので、それに比べればはるかに安い金額ではあります。また、カナダ産業省の担当者は役員情報は法人登記とは異なる「新しいサービス」であるとして、有料化に理解を求めています。しかし、かつて無償で公開され、多くの市民が利用していたデータを再有料化する動きは、明らかにオープンデータ運動と逆行しています。
こうした再有料化の背景として「サービスの受益者負担」を主張するケースが多々あります。しかし、受益者である市民は税金としてすでに費用を負担しています。さらに役員に関するデータは登記した法人が提供したものであり、カナダ産業省が有償化に見合う付加価値を生み出しているとはとても思えません。このケースは税金の二重取りに相当するとみなされてもしかたありません。
参考:
Open data fail: Industry Canada now charging for corporate records that were once free (Ottawa Citizen, 2014/3/27)
(東 富彦)
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